1. 万年筆の基本的な使い方

「万年筆」というと、
『ボールペンよりも扱いが難しそう…』『手入れが大変そう…』
などというイメージがありませんか?
確かに万年筆はボールペンに比べればお手入れが必要な部分もあります。
初めてお使いになる場合は、書くコツをつかむのに時間がかかるかもしれません。

しかし、書けば書くほど使い手の「書き癖」になじみ、どんどん書きすくなる万年筆は、
「自分だけの一本」としての魅力にあふれた筆記具です。

知ってみればお手入れ方法は意外と簡単!
インクの入れ方や洗浄方法、書くときのコツをご紹介します。


【ご注意】
このページでは、万年筆について知っていただけるよう、万年筆の取り扱い方の一例をご紹介させていただいております。
商品によってはご紹介させていただいた取り扱い方法が適さない場合もございますので、万年筆をご購入されたお客様におかれましては、商品をご使用になる前に取扱説明書やメーカーサイトのサポートページをなどでご購入いただいた商品に最適の取扱いをご確認くださいますよう、よろしくお願いいたします。





万年筆を使うのに、万年筆の各部の名称まで覚える必要はありませんが 、
インクをセットするパーツに、主に2種類があることは重要です。
一つはインクカートリッジ、もう一つはコンバータ(吸入器)です。

カートリッジはあらかじめインクが充填されている状態ですので、差し込むだけで手軽に使うことができます。
コンバータは、インク瓶からインクを吸い上げて使用します。インクを入れる手間はこちらのほうが大変ですが、その一手間が万年筆を使用する醍醐味でもあります。

インクの吸入方式は万年筆によって異なりますが、近年ではカートリッジとコンバータが両方使える両用式のものが主流になっています。
両用式の場合はお客様の使用スタイル・お好みに合わせてカートリッジとコンバータのどちらかをお選び下さい。



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カートリッジ式の場合は、カートリッジを差し込むだけでインクのセットが完了します。
メーカー専用のインクカートリッジをご用意ください。



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インク瓶からインクを吸い上げて使うコンバータ(吸入器)式。その中でも
「回転式」と呼ばれるタイプのコンバータでインクを吸入する方法をご紹介します。



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はじめて万年筆を使用した感想として
「書き味がカリカリしていて書きにくい」「インクが出にくい」というものがありますが、
これらは万年筆の持ち方・書き方が間違っていることが原因になっている場合があります。

特に多いのは、ボールペンと同じように強く握りこみ筆圧をかけて書いている場合。
万年筆は、柔らかく持ち、力を入れずに書くと上手に書くことができます。
筆圧をかけず、万年筆本体の重みで書くようなイメージです。 ペン先の刻印のある面を表向きにして、ボールペンよりもやや寝かせ気味に書きます。

新しい万年筆の使い始めのうちは、少し紙に引っかかるようなカリカリ感があるかもしれませんが、使用していくうちに段々と紙の上を滑るような書き味になっていきます。
紙との摩擦でペンの先(ペンポイント)が少しずつ削れ、使い手が描きやすいように変形していくためです。
このため、長期間万年筆を人に貸すなどすると、自分とは違う「書き癖」になじんで書きにくくなってしまうしまう恐れがあるほどです。

自分だけの一本として長い間使い込めば、
万年筆は本当に世界に一つのあなただけの一本になります。


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インクを別の色に変えたいときや、インクを補充してもインクの出が悪いときには洗浄をしましょう。
万年筆を長期間使用されない場合も洗浄して保管しておくことがおすすめです。
(インクを入れたまま長期間万年筆を放置すると、インクが詰まるなどのトラブルの原因になります。)
また、同じインクで頻繁に使用している場合でも、数か月に一回など定期的に洗浄を行うことで、万年筆を長く使い続けることができます。
ここでは洗浄方法の一例をご紹介します。

※洗浄の際には、洗剤や薬品、熱湯などは絶対に使用しないでください!トラブルの原因になります。
※カートリッジやコンバータを取り外す際にインクが飛び散らないようご注意ください。


【カートリッジ式の場合】

1.カートリッジを抜いて、ペン先と首軸を水(またはぬるま湯)が入ったコップの中に浸けて一晩置きます。最初のうちはすぐに水が濁るので、何度か水を取り替えましょう。

2.一晩置いた後、首軸側(カートリッジやコンバータを差し込む側)からペン先に向かって水を通し、汚れた水が出なくなるまで流します。 流水は勢いよく流さず、ちょろちょろと流れる程度で十分です。

3.柔らかい布などで水分をふき取り、しばらく置いて十分に乾燥させてください。
  (十分乾燥していないうちにインクを吸入すると、残っている水分でインクが薄まってしまいます。)

※ペン先のインクの付着状況によっては流水で流すだけで十分洗浄できる場合もございますが、お時間がある場合は浸け置き洗いを行うことをおすすめします。


【コンバータ式の場合】

1.コンバータと首軸はつなげたまま、ペン先をコップの水またはぬるま湯につけ、つまみをねじって水の吸入・吐きだしを繰り返し行ってください。水が汚れたら綺麗な水に交換してください。

2.吐き出される水がインクで汚れていない綺麗なものになれば、洗浄は完了です。

3.首軸からコンバータを取り外し、それぞれ柔らかい布などで水分をふき取り、しばらく置いて十分に乾燥させてください。

※さらに丁寧に洗浄したい場合は、カートリッジ式と同じように浸け置き洗いを行ってください。



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